この記事を読んでいるあなたは
- 加湿器に最適な水は何?
- 加湿器にミネラルウォーターを入れてもいいの?
- 加湿器に水道水を入れると白い粉を吹くのがイヤなんだけど
上記のように考えているかもしれません。
この記事では、加湿器に水道水がベストな理由についてお伝えしていきます。
水道水を入れることによって発生する「白い粉」の対処法についても解説しているので参考にしてください。
加湿器にミネラルウォーターを使ってはいけない理由3点
まずは、なぜ加湿器にミネラルウォーターを使ってはいけないのか、3つの理由を紹介します。
カビや雑菌が発生しやすいから
ミネラルウォーターには塩素などの殺菌成分が添加されていません。
そのためカビや雑菌が繁殖しやすく、下手をすると加湿器の中で増えた有害物質を霧に乗せて部屋全体へと撒き散らしてしまう可能性があるのです。
当然、ミネラルウォーターは細菌が入らないよう衛生管理を徹底していますから、開封したてのミネラルウォーターに細菌やカビが発生していることはありません。問題は、加湿器の中での繁殖です。
ミネラルウォーターは開封したら常温でその日中、冷蔵保存で2~3日を目処に飲み切ることが推奨されていますが、これは空気との接触によって品質の劣化が進んでいるからです。
飲料水として安全で美味しいからと加湿器に使っても良い気がしてしまいますが、常温(加湿器のタイプによっては、細菌が最も繁殖する生ぬるい温度帯)で塩素殺菌されていない水を放置するのは大変危険ですのでやめましょう。
同様の理由で、浄水やアルカリイオン水、一度沸かした水も加湿器に使ってはいけません。
ミネラルが固まって加湿器を汚してしまうから
量は水の種類によって異なりますが、ミネラルウォーターと呼ぶくらいですから、水の中にはミネラル分が溶けています。水に含まれるミネラルは身体に取り込まれれば栄養素として働きますが、実は水垢の原因でもあるのです。
ミネラルウォーターに含まれる成分のうちのマグネシウムとカルシウムが主な原因で、加湿器によってミネラルを含んだ水が部屋中に噴射されて水だけが蒸発すると、加湿器の内部や噴射口に残ったミネラルが結晶化して白く残ってしまいます。
水垢は水や石鹸で洗ってもなかなか落ちず、クエン酸や重曹を使って落とします。安全面という観点だけでなく、使用面で見てもミネラルウォーターは加湿器での利用に向いていません。
フィルターの劣化を早めてしまうから
フィルター付きの加湿器の場合、内部で発生した細菌やカビが付着することによってフィルターの劣化を早めてしまいます。
また、汚れたフィルターを使い続けていると、きれいな水を入れてもフィルターを通して汚れた水が部屋に拡散されてしまい、衛生上もよくありません。
加湿器にはミネラルウォータではなく水道水を使う
ミネラルウォーターが加湿器に向いていないとわかったところで、次は水道水の使用を勧める理由を2つ紹介します。
塩素が入っているので雑菌が繁殖しにくい
水道水は、安全に飲めるよう塩素によって消毒されています。水道水を飲んだときに「変な味がする」と感じたことがある人もいるかもしれませんが、あれは残留塩素によるカルキ臭です。
味覚・嗅覚としてはマイナスなイメージしか無い塩素ですが、塩素が含まれていることによって、日本では水道水を飲んでもお腹を壊すことはないし感染症にかかることもないのです。
加湿器に水道水を使えば内部で細菌やカビ、雑菌が繁殖するリスクを少なくできます。
ただし、塩素は沸騰と長時間の放置によって抜けていくので、加湿器内の水は毎日換えることをおすすめします。
加湿器メーカーも水道水を推奨
シャープやパナソニックなどの加湿器メーカーも、水道水以外は使用しないよう注意喚起しています。
ミネラルウォーターのほか、アルカリイオン水・井戸水・浄水器の水・加湿器用でないアロマオイル・化学薬品・40℃以上の水の使用も禁止です。
出典:https://jpn.faq.panasonic.com/app/answers/detail/a_id/11859/
出典:http://cs.sharp.co.jp/faq/qa?qid=126388
加湿器に水道水を使うと「白い粉」が出る!対策は?
加湿器を使っていて、なぜか噴出口や加湿器周りの家具が白く汚れてしまった経験はありませんか?
硬度の低いミネラルウォーターや浄水を使う人の中には、「水道水を使っていたときは白い粉がでてきたけど、水の種類を代えたら出なくなったから」という人もいるようですね。
ここでは、加湿器を使うことによって出てくる白い粉の原因と対策方法についてお伝えします。重ね重ねになりますが、ミネラルウォーターや浄水は使わないでくださいね!
白い粉はミネラルやカルキが原因
加湿器を使うと出てくる白い粉、原因はミネラルやカルキです。
水道水が霧状に放出されたあと、水分が蒸発してミネラルやカルキだけが白い粉状に残ります。だからこそ、硬度の低いミネラルウォーターやミネラルまで除去したRO水、浄水器の水を使うと白い粉が発生しなかったわけです。
この白い粉は人体には無害ですが、精密機器、電子機器などの故障の原因になる恐れがありますので、ほこりや汚れに弱い機器のあるところでは使用しないほうが良いでしょう。
また、人体に無害とは言え、それはあくまで自然に生活していたらの話。赤ちゃんがいる家庭では「ハイハイして手についたカルキを舐めてしまったら…?」と心配する声も少なくありません。
次項から加湿器の白い粉対策を紹介しますので、参考にしてみてください。
対策1:気化式・加熱式加湿器を使う
実は、この白い粉が発生するのは「超音波式の加湿器のみ」です。気化式や加熱式の加湿器では、水を沸かして水蒸気として放出する際にカルキが抜けるので、部屋内に飛び散ることがないのですね。
超音波式加湿器は水を沸かすことなく霧状に噴出する仕組み。ヤケドや火事の恐れがないので小さい子どもやペットが居る家庭で重宝されますが、ミネラルやカルキごと飛び散りますので白い粉が出る原因になります。
ちなみに、超音波式+加熱式のハイブリッド加湿器でも白い粉は出ます。このタイプは水を沸かすのではなく温める程度なので、カルキが抜けきらないのです。
白い粉対策の1つ目は、加熱式か気化式、もしくは加熱式+気化式のハイブリッドタイプの加湿器を使うことです。
対策2:カルキ除去カートリッジがついた加湿器を使う
超音波式加湿器から白い粉が出ることは、当然メーカーも把握済み。ある程度の値段はしますが、カルキ除去カートリッジがついた超音波式加湿器を販売していることも多いので、今から購入する人は確認してみてください。
カルキ除去フィルターがついていれば、加湿器内部は塩素によって菌の発生が抑えられ、噴出時にカルキがフィルターにキャッチされるので、部屋に飛び散る心配はありません。
水につけてカルキ除去をするカートリッジタイプの場合は、加湿器内の水から塩素が除去されます。その分、除菌効果のあるカートリッジもセットでついているのが一般的です。
白い粉対策の2つ目は、カルキ除去フィルターやカルキ除去カートリッジがついた超音波式加湿器を買うことです。
対策3:こまめに掃除する
最後に紹介する方法は、残念ながらカルキの飛び散りを防止するものではありません。
すでにカルキ除去カートリッジのない超音波式加湿器を買ってしまっている人向けの「部屋のよごれ対策」です。
白い粉が床や家具についても、最初のうちはティッシュなどで拭くだけで簡単に落ちます。しかし、時間の経過とともにこびりついて落ちなくなることがあるので、その場合はクエン酸を使って掃除しましょう。
ぬるま湯1リットルに対してクエン酸20~30gを溶かしたクエン酸水溶液を作り、柔らかい布やティッシュに染み込ませてよごれが気になる部分を拭き取ります。
加湿器内部についたよごれは、クエン酸水溶液を中に注いで1~2時間放置したあと水道水ですすげばOKです。
ただし、加湿器や家具の種類によってはクエン酸水溶液が故障・変色の原因になることも考えられますので、説明書などを参考に確認してからおこなってください。
加湿器にはミネラルウォーターではなく水道水を!塩素の力は偉大
飲料水として安全・美味しいからといって、何にでもミネラルウォーターを使っていいわけではありません。使用目的と特性を理解して、最適な水を選択することが大切です。
加湿器に使って良い水は水道水のみ。その他の除菌効果のない水は部屋中に細菌やカビを撒き散らしかねないと覚えておきましょう。